シーフードの輸出入-世界の状況
全世界で水揚げされるシーフードのうち、3割以上が国際貿易に回っています。これは農産物などに比べ大きな割合をしめています。
世界で消費されたシーフードのうち7割が発展途上国により漁獲され、輸入額の8割は先進国によるものです。つまり、発展途上国が獲ったシーフードを先進国が消費し、経済発展を手助けしているという構図があります。
しかし、乱獲により漁業資源の減少も問題になっています。そのため、IUU(違法、無規制、無報告)漁業にかかわる国」からの禁輸措置や、漁獲証明書(魚を獲った場所、船舶名、日付の証明)を義務付ける動きもあります。
近年、中国のシーフードの輸入量の伸びが大きく、26年連続1位だった日本を抜き、中国が1位になりました。しかし、中国は輸出量も多く、加工品の原料としての輸入し、加工後輸出するものの割合が大きいことがわかります。
このほか、輸入額が大きい国はアメリカやEU加盟国になります。
また、輸出額が大きい国は、中国の他、ノルウェー、タイ、アメリカになっています。
天然魚の漁獲が最高だったのは2000年で、それ以降は減少しており、全体的な貿易額の増加は養殖魚の増加によるものです。
シーフード輸入-日本
日本はシーフードの6割弱を輸入に頼っています。
最近はスーパーに並んでいる魚も海外産がしめる割合が高くなってきています。
しかし、ここ数年、流通するシーフードの価格が上がってきており、日本はいわゆる「買い負け」をすることが多くなっています。価格の上昇は、国際的な貿易事情が影響していると考えられます。
まず、漁業資源の保護の観点から、漁獲規制が導入されており、供給量が絞られていること、そして、健康志向やBSE(牛海綿状脳症)などの影響で世界的にシーフードの人気が高まっていること、物価の上昇により、養殖コスト、漁船の操業コストが上がってることが考えられます。
輸入品目はエビ、マグロ、サケ・マス類、カニが多くなっており、国別では、中国、アメリカ、チリが多くなっています。
また、現在TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)への参加が検討されており、実現すれば参加国間で関税がない自由貿易になります。
参加により、IQ(輸入割当)制度が廃止する可能性があり、日本国内の水産業への影響が懸念されています。
シーフード輸出-日本
1960~1970年ごろはヨーロッパやアメリカにさかんにシーフードを輸出していました。
現在の輸出は缶詰用の冷凍魚などが多く、かなり減少しています。
しかし、政府は農林水産物の輸出額を2017年までに現在のほぼ倍に増やす目標を立てています。その一環として、2011年日本の漁港の衛生管理基準制度を見直すことになりました。
ヨーロッパで日本食ブームがおこり、日本で養殖されたブリ、カンパチ、かつお節の需要が高まったためです。EU加盟国へ出荷するには、出荷する漁港や市場などがEUの衛生基準を満たしている必要がありますが、2008年に制定された「漁港における衛生管理基準」は客観性に欠けたり、不足している部分もあり、問題点を抱えていました。
新基準では衛生基準を充実させ、EU並みになっています。
また、2010年2月に中国向けの輸出水産品の新検査制度が実施されましたが、日本有数の漁業基地である境港では、検査機関の減少や検査費用やコストの増加により、時間、費用の面で事実上断念せざるを得ない状況になりました。
その後、境港輸出入促進協議会、鳥取県、日本冷凍食品検査協会が話し合い、「境港ルール」が認められました。これは鮮魚について協議会管理の自主検査をもって検査機関に衛生証明書を発行申請できるものになります。
今後、水産加工品への適用も期待されています。
